コウフ狂想曲
■偏愛・理系■ ヴァンフォーレ甲府を中心に諸々を綴るブログ
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夢はかたちに
J1・J2入替戦/第2戦 12/10(土) 柏 2-6 甲府 日立柏:12,013人
柏(52)レイナウド(86)宇野沢 甲(10)(27)(53)(68)(69)(87)バレーx3x2

車列を組んだ大型バスが隅田川に沿う首都高速を北へ向かう。山梨からの応援バスは7台になった。車窓から言問橋辺りの景色を眺めながら、今季二度の水戸遠征を思い出した。前半戦を締めくくる第22節と大詰めのラスト4を控えた第40節。ともに手痛い敗戦を喫し、口惜しさを胸にしまいながらこの道を戻った。まだ、あれから一ヶ月も経っていない。

アウエー側入場口しかし、「三度目の正直」、今回はきっと笑って帰れると感じていた。京都戦の劇的勝利で一気に登りつめた感情は、入替戦第1戦での確かな勝利を経て、少しずつ清々しさに変わっていた。
泣いても笑っても、今季のラストゲーム。ただひたすら選手に声援を送り続け、甲府のサッカーを信じて楽しむだけだ。

スタジアムに到着して、先に乗り込んでいた先輩と合流する。バス以外の方法で先着していた甲府サポにバス組が合流すると、ゴール裏のほぼ半分だけに限定された甲府応援エリアは人で溢れた。通路も人で埋まり、重なり合いながら居場所を定めた。

迫力ある柏サポいつもは、まばらになりがちな甲府サポだが、逆に密集状態になる。ちょっと窮屈だが、声援を一つにするには持って来い。少数であっても、圧倒されるであろう柏サポの声に負けじと、少しでも甲府の選手に声を届けなければならない。

ホームの柏はいろいろな意味で怖いと聞いている。「勝ったら、上着を着てバスまで全力疾走で戻ろう」などという冗談が、冗談として聞こえないほどの迫力あるコールが柏側から起こる。テレビで見る某国のマスゲームを思わせるほどに見事であり、アウエー感いっぱいのスタジアムだが、逆に闘志が湧いてくる。そして、ついにキックオフの笛がなった。

柏はシステムを4-4-2に変更。レイナウドとともにクレーベルを先発、フランサをベンチに置き、外国人勢を起用してきた。個人能力に試合の行方を託したようだ。甲府は杉山が出場停止から復帰。左SBに山本を配した他は第1戦と変わらない。試合は立ち上がり、それぞれ攻め込むが、出足鋭い甲府が徐々にペースを握る。前半10分、右サイドの連続攻撃からバレーがゴールを決める。大きな先取点。選手に硬さは見られない。

前半25分、右サイドの杉山の突破とクロスから倉貫がダイレクトでシュート。惜しくもGK南に阻まれるが、攻撃の組み立ては第1戦同様にしっかり出来ている。そして、その勢いを持った攻撃を柏は止めきれず、克哉がPA内で倒されてPKを得る。バレーが落ち着いて決めて2点目をゲットした。

「君たちはプレーヤーだ。ワーカーでも、アクターでもない」 今年のイヤーブックの巻頭インタビューにある大木監督の言葉である。ファウル判定を誘うようなプレーや真剣さの無い汚いプレーを嫌う。90分間、純粋なプレーを要求する。残念ながら、柏には大木監督に嫌われそうな選手が何人か見受けられた。

後半早々、柏DFの永田が2枚目の黄紙で退場になる。数的有利な状況に少し気を緩めたのか、柏に反撃を許して1点を返される。2-0というスコアの難しさは、痛いほど分かっているハズだ。しかし、そのリスタートからノーホイッスルでバレーがハットトリックとなる3点目を決める。勝利をぐっと手繰り寄せるゴール。J1への扉が開き始めた。

昇格を決めたスコア攻撃の手を緩めない甲府。23分にまたしてもバレーがゴールを決める。4点目。J1への扉が大きく開かれた。そして、その僅か1分後にバレーが5点目を決める。後は、タイムアップを待つだけだ。

いつの間にか照明塔に灯りがともされていた。日立台に『輝く夜空』の歌声が響く。

この歌は、やはり、勝利の歌なのだ。ただ、今季の甲府を象徴するかのように、攻めるしかない柏に2点目を許す。しかし、その1分後にバレーがダブルハットトリックとなる6点目を奪う。取られたら、取り返す。最後の最後まで、甲府は甲府のスタイルを貫いた。

・・・ ・・・

試合終了の笛が鳴る。
勝利、そしてJ1昇格。
夢がかたちになった瞬間である。

ゴール裏に駆け寄る選手たちにも大きな笑顔が見える。克哉と阿部は泣いている。手を繋ぐ選手たちはまるで兄弟のようだ。くたびれちゃってボーっとするなか、そんな姿を見ていると胸が詰まってきた。帰宅後に見たテレビ録画のバレーの涙にまた涙。サポーターとしての喜びに浸りながら、まだ、心を揺らしている。
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